がん保険の選び方

がん保険選びで注目すべき4つのキーワードについて解説をしていきます。

診断給付金(診断された時点でもらえるもの)

  • 治療給付金
  • がん先進医療給付金(陽子線治療・重粒子線治療など)
  • 上皮内新生物に対応しているか

診断給付金(一時金)とは?

がん保険や医療保険のがん特約などで保障される「診断給付金」とは、がんと診断されたときに受け取れる給付金のことです。保険会社によって商品名が異なり、「診断一時金」「がん診断保険金」「がん診断一時金」などの場合もあります。

がん保険のタイプや契約内容によって給付金額は50万円から200万円まで幅があり、契約者が保険金額を設定できる商品もあります。 給付金の使途は指定されていないため、給付金を受け取った後、がんの治療費以外にも通院費や生活費など自由に使えます。

治療給付金とは?

がん治療のため入院したときに、入院日額と入院日数に応じて受け取ることのできる給付金です。商品によっては日帰り入院でも給付金を受け取れるタイプもあります。

医療保険は1回の入院あたり「60日まで」「120日まで」などと設定されており、一定期間が経過しないと再入院しても保障を受けられない場合が多く、保障される日数(支払限度日数)に制限がある場合がほとんどです。

その点、多くのがん保険は長期入院や繰り返し入院をした場合にも備えることができるように入院日数が無制限になっています。

がん通院給付金

がん治療を目的として通院した場合に受け取れる給付金で、保障範囲は保険会社により異なります。

入院を前提として入院前後に通院する場合に保障される商品もあれば、入院を伴わない通院でがん治療する場合に保障される商品もあります。

がん手術給付金

保険会社が指定する所定のがん手術を受けた際に、がん入院給付金とは別に受け取れる給付金です。所定のがん手術は2つに分類されます。1つ目は「保険会社の約款で定められた手術を受けた場合」、2つ目は「公的医療保険の対象になる場合」です。

保障される金額は、「がん入院給付金日額の10倍や20倍」など、がん入院給付金日額の何倍という条件で決められるケースがほとんどです。一般的にがん手術給付金はがん診断給付金よりも低くなります。商品によっては、外来手術はいくらで入院手術はいくらなどと設定されていることもあります。

抗がん剤治療給付金

保険会社が定める所定の抗がん剤治療を行う際に受け取れる給付金です。抗がん剤治療給付金と同じように、給付条件は保険商品ごとに異なり、保険契約約款に条件が定められています。

そのため、月が変わると新たに給付金を受け取ることができます。「抗がん剤治療給付金」という一つの保障ではなく、他のがん治療に対する給付金と一緒になっているタイプもあります。

がん放射線治療給付金

保険会社が定める所定のがん放射線治療を行った際に受け取ることのできる給付金です。抗がん剤治療給付金と同じく、給付される細かい条件は保険商品ごとに異なり約款にその条件が定められています。

入院を伴わずに通院のみで治療を受けた場合でも、給付金を受け取れる商品もあります。

また、抗がん剤治療給付金と同様に「がん放射線治療給付金」という一つの保障ではなく、他のがん治療に対する給付金と一緒になっているタイプもあります。

がん先進医療給付金(陽子線治療・重粒子線治療など)とは?

上記のように、治療給付金の他にがん治療を目的として、厚生労働省が認める「先進医療※」を受けたときに受け取れる給付金です。先進医療の技術料には公的医療保険が適用されないため、費用を自己負担する必要があります。

「がん先進医療給付金」は、この先進医療の「技術料」にあたる金額を受け取れ、給付金の上限額は500万円~2000万円程度に設定されているのが一般的です。

また先進医療は治療を受けられる医療施設も限定されていて、医療施設が遠方にある場合、高額になりがちな交通費などの費用の負担も別に考慮に入れておく必要があります。

ほとんどの保険会社で「がん先進医療特約」として保障を付加するかを選択できるようになっています。

※「先進医療」とは、厚生労働省が認めている最新の医療機器や薬を使った治療や高度な医療技術を用いた治療です。

上皮内新生物に対応しているか

がんの「上皮内新生物」とは、がんが臓器の表面を覆う「上皮内」にとどまっている状態で「がんの赤ちゃん」とも呼ばれています。基本的には手術でとることができて、転移などはほとんどないといわれています。医療の発展に伴って、早期発見が可能になり、上皮内新生物の段階で発見される症例が増えてきました。

これに対して、「悪性新生物」とはいわゆる「がん」のことです。
がん保険の中には、上皮内新生物と診断されても、

  • 診断給付金は出ない
  • 診断給付金が出るが、悪性新生物の半額や10分の1など少なくなる
  • 全額が出るが、1回のみ

このような条件がついている場合もあるため、よく確認をしましょう。

まとめ

保険を選ぶ際には、診断給付金や治療給付金、がん先進医療給付金といった3つの保障が手厚い保険を選ぶと良いでしょう。
がんのできる部位や、発見された時の進行度(ステージ)は、それぞれ異なります。

また治療の内容や治療中にどんな生活水準を送るかも、人それぞれです。そのため、お金のかかり方も変わってきます。お金の使い道を自由に決められる診断給付金は、がんへの備えとして心強い保障となってくれるはずです。また、がん治療を行うために治療給付金も欠かせない保障です。治療を行うたびに治療給付金が支給されるので、治療が長引いて費用の負担が大きくなる場合にしっかりカバーできます。

先進医療は実際に受ける確率が極端に低い(がん患者150万人中3000人程度)ため、入る必要はないという考えがありますが、先進医療を受けていれば助かったというケースもあります。先進治療を受ける確率が低くても、万が一の場合に備えてがん先進医療給付金の保障を付けておくといいでしょう。

補足

保険会社によってはがんと診断された場合、それ以降の保険料の払込みが免除される「保険料払込免除特約」が付けられるがん保険もあります。保険料の負担がなくがん治療に専念できるのは、精神的にも経済的にも大きなメリットです。

【FPからのコメント】

がん治療が始まるとさまざまな費用がかかりますが、給付金はその際に心強い味方になってくれます。がん保険には主契約と特約があり、主契約は終身保障となっていますが、特約は保障期間が定められています。特約は定期的に更新する必要があるので、特約の保障期間がいつまでかを確認しておくことが大切です。

なかには自動で更新してくれる保険会社もありますが、特約の更新を忘れて給付金がもらえないケースもあるので気をつけてください。また、抗がん剤の種類によっては抗がん剤治療給付金の保障対象にならないケースもあります。

契約の際には、各給付金が特約なのか給付金の支給条件はどうなっているのかを確認したうえで申し込むといざというときにスムーズに申請ができます。