治療スケジュールとかかる費用

がん治療は長い時間をかけて治療が行われることが少なくありません。健康な方でも体内では毎日数千個以上のがん細胞が発生していると言われています。

がんを発症した場合、がん細胞は瞬く間に増殖していきます。(潜伏期間が10年のところ発症して末期がんに至るまで約3年という短い期間で増殖すると言われています。)

がんの転移・再発を予防するためには早期に徹底的な治療が必要になってきます。ここでは、がん治療にかかる費用を治療スケジュールごとにご紹介します。

がん治療にかかる費用

がん治療にかかる費用を治療スケジュールごとに紹介します。

がんと診断されから治療が始まってからかかる費用は「直接的に治療にかかる費用」と「治療以外にかかる費用」の2つに分類されます。

  • 直接的に治療にかかる費用:血液検査やCT、診察・手術などの費用
  • 治療以外にかかる費用:通院のための交通費や入院時の差額ベッド代など

ここでは、ステージIIの胃がんと診断された場合に、がん治療にかかる費用を見ていきます。

前提条件 17日間入院し、定型手術(胃がんを完全除去することを目的にした手術方法)を受け、その後がん再発防止のために抗がん剤治療を受けている。

「直接的に治療にかかる費用」について

合計金額例

約251万円~

金額内訳

  • 入院費用と手術費用:約127万円
  • 抗がん剤治療:約92万円
  • 1年目定期検査(年3回):約17万円
  • 2年目定期検査(年2回):約15万円…など

「治療以外にかかる費用」について

合計金額例

約20万円~

金額内訳

  • 入院時の差額ベッド代:平均7,500円
    17日間個室に入院した場合約13万円
  • 入院時の食事代:1日3食で1,380円(1食460円)
    17日間の食事代が約2万3,460円
  • 入院中の日用品
  • 保険会社等に提出する診断書の発行費用:1通約3,000円…など
  • 入院中の世話をしてくれる家族の交通費:1日1,500~3,000円(病院までの距離や交通手段、頻度によって異なる)
  • 通院のための交通費:1日1,500~3,000円(病院までの距離や交通手段によって異なる)

がんになったら利用できる公的制度

上記に挙げた金額を見て身構えた方もいらっしゃるかもしれませんが、251万円という金額は健康保険適用前の金額です。

多くの方の場合は、自己負担額3割のため実際に支払う費用を抑えられます。

「直接的に治療にかかる費用」について

入院費用と手術費用 健康保険適用前:約127万円 健康保険適用後:約38.1万円
抗がん剤治療 健康保険適用前:約92万円 健康保険適用後:約28万円
1年目定期検査(年3回) 健康保険適用前:約17万円 健康保険適用後:約5万円
2年目定期検査(年2回) 健康保険適用前:約15万円 健康保険適用後:約4.5万円

ここまでの合計は約76万円です。

「治療以外にかかる費用」について

食事代は既に健康保険適用がされている金額のため変わりませんが、それ以外の項目は全額自己負担になります。

さらに、健康保険適用とは別に同じ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一部払い戻しがある制度(高額療養費制度)があります。高額療養費制度は所得に応じて自己負担の限度額が異なります。

この制度を利用した場合、実費が10分の1まで抑えられる場合があります。先ほどの例の約251万円かかる費用は、約25万円程度が自己負担の金額です。

その他の制度

がん治療を受け医療費が高額になった場合、患者への所得税の軽減を目的とする医療費控除という制度があります。確定申告することで、その年に支払った医療費の一部に所得税の控除が適用され、一度支払った所得税が手元に戻ってきます。

また、日常生活に支障が出た場合、いくつかの条件を満たすと国から障害年金を受け取れます。障害年金を受け取っても、老後の年金が減ることはないので安心してください。

FPからのコメント

がんの治療費はステージごとに変わってきますが、治療が進むとかかる手術費用や治療費以外のお金も必要になってきます。

がんの治療費は、「直接的に治療にかかる費用」と「治療費意外にかかる費用の2つに大きく分類されます。この2つに分類される費用のうち、がん保険で保障される費用が何か把握しておくことが大切です。保険会社によって保障内容は異なるので、がん保険に申し込む前に確認するようにしましょう。

がんの治療費は高額になりやすい傾向です。ただ日本の健康保険制度は充実しているので、高額な治療費の負担を大幅に減らせます。健康保険以外の公的制度も充実しており、高額医療費制度だけでなく医療費控除や傷病手当、障害年金なども利用できます。各制度には利用条件があるため、よく確認してからできるだけ経済的な不安を解消しましょう。

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