高額療養費制度

がん保険を検討する前に知っておきたいのが「高額療養費制度」です。国民健康保険に加入していれば補助の対象となるため、多くの方が対象となります。高額療養費制度ではどのような条件でどれぐらいの補助を受けることができるのか。これを知った上で、がん保険で必要な保障を選択していくのも、がん保険を選ぶにあたって重要なポイントの一つです。

高額療養費制度とは

家庭における医療費の負担を減らすべく、国で定められた補助金制度になります。病院や薬局などで支払う1ヶ月の医療費が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えたときに、その上限額を超えた分について補助を受けることができるのです。

上限額については、年齢や所得によって異なります。具体的な内容は、下記厚生労働省の資料をご確認ください。(PDFがダウンロードされます)

https://www.mhlw.go.jp/content/000333276.pdf[PDF]

ちなみに、高額療養費制度の対象となる治療費には差額ベッド代や入院中の食事代、先進医療にかかわる治療費は含まれませんので要注意です。申請に関しては、加入している保険によって異なるため事前に確認しておきましょう。

がん保険との高額療養費制度とのバランスはどう考えるべき?

高額療養費制度でも自己負担額を軽くすることができることが分かりました。ですが、実際にそれだけでがんに対する備えとしては問題ないのでしょうか。高額療養費制度を利用した上で、がん保険も検討しておいた方がよいポイントについてまとめていきます。

一時的に自己負担が発生する場合も

高額療養費制度では、事前に申請して「限度額適用認定証」の制度などで窓口での負担を抑えられるケースもありますが、事前の準備ができていない場合は申請前に3割の医療費を支払う必要が出てきます。これが難しいという方もいるでしょう。

当然、がん保険も治療給付金や入院給付金が、実際に支払った額に沿って給付されるものの場合は事後の支払いとなるものがあります。ただ、事前にある程度余裕を持たせておきたいという方は、診断給付金がある(または特約として加えられる)商品を選ぶことで、治療開始の前にある程度まとまったお金を用意しておくことが可能になります。

自己負担額が減るといってもゼロではない

高額療養費制度で、69歳以下、年収500万円程度で考えた場合、上限額は「80,100円+(総医療費ー267,000円)×1%」という式になります。200万円の総医療費がかかった場合、97,430円が自己負担額となります。

これを高いと捉えるか、安いと捉えるかは人それぞれかと思います。200万円を支払うことを考えれば、かなり抑えられた数字にはなっていますが、これはあくまで1ヶ月の数字であり、その後も一定の医療費がかかる可能性があることを考えると決して低いとは言えません。

この数字を踏まえた上で、どれだけの保障を加えるべきか。さらに、差額ベッド代や入院時の食事代など、諸経費がかかる可能性も見過ごせません。それを考えることでがん保険を選ぶポイントになってくるのではないでしょうか。

先進医療に対する保障

高額療養費制度の対象となるのは、国民健康保険など公的保障制度の範囲内の治療となります。厚労省の認可がない先進医療などはこの対象外となり自己負担となります。

がん保険ももちろんすべてをカバーできるわけではないため、先進医療に関しては注意が必要となります。ただ、中には自由診療の治療に対しても保障が効くものや、先進医療を受けるたびに一時金が給付されるものなどもあります。がんにかかったとき、先進医療も含めて検討する可能性があるのなら、がん保険は検討しておくべきでしょう。

高額療養費制度についてはしっかり確認を

がん保険の必要性を説いてはきましたが、高額療養費制度は医療費の自己負担が減るように国が整備した素晴らしい仕組みだと思います。なので、まず自分が高額療養費制度でどのような補助を受けられるかどうかを事前に確認しておきましょう。

その上で、実際にがんにかかったときにどのような治療が考えられるのか、月々の支払いはどれぐらいまでなら対応できるのか、などある程度のプランニングをしておく必要があります。資産計画などにも関わってくる内容なので、不安がある方はファイナンシャルプランナーに相談してみるなど、専門家に問い合わせてみてください。